疾患ごとの、原因・検査・治療
咽頭炎
- 症状
- 治療
- 注意点
急性咽頭炎は、かぜ症候群のひとつとして発症します。咽頭に炎症が起こり粘膜が赤く腫れて、痛みを生じます。
炎症の広がり、粘膜の腫脹の程度によっては、咳、食べ物が飲み込みにくい、飲み込む時の痛み、熱が出ることもあります。
慢性咽頭炎は、急性炎症に続いて、その後も咽頭痛を長く繰り返す慢性炎症の状態で、不快感、異物感、乾燥感が起こります。ホコリやタバコ、飲酒で炎症が慢性化します。
鼻閉があると口呼吸となり、口腔から咽頭粘膜の乾燥のため慢性炎症を生じやすくなります。
細菌感染が明らかな場合は、抗生剤を内服しますが、そうでない場合はウイルス感染が原因のことがあり、対症療法として消炎剤、鎮痛剤、うがいをして炎症を抑えてゆきます。
かぜがきっかけとなることが多いので、かぜの予防が大切です。
咽頭を清潔に保ち乾燥を防ぐため、よくうがいをします。刺激を避けるため、タバコやお酒は控えましょう。
冬は、暖房の影響で湿度が下がりますので、部屋の加湿が必要です。
扁桃炎
- 症状
- 検査
- 治療
急性扁桃炎は、喉の奥の左右両側にある扁桃組織が、細菌などの感染によって炎症をおこしたものです。
痛みだけでなく、発熱、飲み込んだ時に痛みがあるため食事が摂れないことがあります。
慢性扁桃炎は、長い間扁桃内に細菌が住みつき、体の抵抗力が低下した時に、細菌が増殖して痛みと発熱を生じます。
のどを診て、扁桃組織が赤く腫れたり、白い膿が付いているかどうかを確認します。
扁桃の細菌検査を行い、病原性のある菌が検出されるかどうかを確認します。
細菌感染が疑われた場合には抗生剤の投与、消炎鎮痛剤を使い、うがいを行います。
症状と炎症の程度が強い場合は、体の安静を保つとともに抗生剤の点滴を行うこともあります。
痛みが強く食事ができない場合は、入院点滴が必要なことがあります。
喉頭炎
- 症状
- 検査
- 治療
急性喉頭炎は、かぜ症候群に伴い、外から見て喉仏(のどぼとけ)に相当する喉頭に炎症が起こった状態です。
かぜ症候群は主にウイルス感染によることが多く、喉の痛み、イガイガ感、咳、痰、声帯の炎症によって声のかれなどを引き起こします。
慢性喉頭炎では、声のかれや咳、痰が長引いている状態で、急性喉頭炎を繰り返す場合や、喫煙や、声の出しすぎ、ホコリや大気の状態などが関係していることもあります。
症状の経過が長い場合には、喉頭ファイバースコープ(内視鏡)検査を行い、喉頭粘膜の発赤、腫脹の有無を確認します。
内服で消炎剤、粘液調整剤以外に、ネブライザー治療(薬を霧状にして吸入)も行って治療します。
咽頭異物
- 症状
- 検査
- 治療
咽頭異物は、食事中に異物が喉に刺さった状態で、主に魚骨が原因です。
異物はすでに取れていて、刺さった傷の痛みが続いていることもあります。
視診と、内視鏡で異物の有無を確認します。
異物が確認できたときには、鉗子で摘出しますが、異物が奥深くで摘出できない場合は、総合病院をご紹介いたします。
声帯ポリープ
- 症状
- 検査
- 治療
声帯ポリープは、喉頭の一部である声帯に粘膜の慢性的な腫れ(ポリープ)が生じた状態です。
声の使いすぎや喫煙が原因となることが多く、学校の先生、保育士、声楽家の方などで起こることがあります。
声の酷使により、声帯が過度にこすれて、声帯粘膜に変化が起こり、声を出すときに左右の声帯が、うまく中央で合わなくなり、声がれを生じます。
喉頭ファイバースコープ(内視鏡)で、声帯のポリープを確認します。
声の安静(声を使いすぎないこと。声の出し方の工夫)、禁煙などが重要であり、粘膜の腫れを抑える吸入(ネブライザー)を行います。
病状が軽快しない場合は、入院手術を検討します。
咽喉頭異常感症
- 症状
- 検査
- 治療
咽喉頭異常感症は、のどの違和感(のどに何かが引っかかっている感じ)、異物感が続いている状態で、のどの慢性炎症、アレルギー反応、乾燥などが関係しているとされ、それ以外にもストレスなども影響しています。加齢、糖尿病などが関連していることもあります。
喉頭ファイバースコープ(内視鏡)などで検査をしても、感染や腫瘍などの特定の病変を認めないのが特徴です。
消炎剤、粘膜・粘液調整剤、抗アレルギー剤、吸入(ネブライザー)療法が有効なことがあります。 また、通常の耳鼻咽喉科的診察で異常がなく、治療によっても症状の経過が良くない場合には、食道以下に病変のあることがあり、内科での食道内の検査を検討します。
睡眠時無呼吸症候群
こちらもご覧下さい- 症状
- 検査
- 治療
夜間寝ている間に一定回数以上呼吸が止まる状態です。
寝ている間に、いびき、呼吸が止まるなど以外に、朝起きた時に口が乾いている、熟睡感がない、身体が重いと感じる、日中に強い眠気やだるさ、集中力が続かないなどの症状が出ることがあります。
就寝時には、仰向けの時間が長いことが多く、重力により舌がのどの奥の方に少し落ち込みます。通常は、その程度の舌の動きだけでは、気道が閉塞することはありません。
しかし、舌の周りに脂肪などが多く付いてしまっている場合(肥満の方など)や、もともと気道が狭い方は、このような舌の動きで、気道が狭くなって無呼吸を引き起こします。「いびきをかく」ことは、気道が狭くなっているサインにもなります。
寝ている間の無呼吸は、なかなか気がつくことができないため、検査や治療を受けていない方が多いと考えられています。
当院では、自宅で手軽にできる、いびきや呼吸の検査キットを使っていただき、就寝中の呼吸状態を計測記録します。
検査で、睡眠時無呼吸症候群と診断され、中等症以上の場合には、「経鼻的持続陽圧呼吸療法:CPAP(シーパップ)」といわれる治療を行います。