疾患ごとの、症状・検査・治療

かぜ症候群

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かぜ症候群とは、鼻、のどに炎症が起こった状態で、主にウイルスによって引き起こされます。
炎症が強い部位に応じて、急性鼻炎、急性咽頭炎、急性喉頭炎などに分けられ、鼻汁、鼻閉、くしゃみ以外に、喉の痛み、咳、痰、声のかれを生じます。こじれると副鼻腔炎、中耳炎、気管支炎などを併発します。
炎症が体全体に広がると、発熱、頭痛、だるさ、関節痛などを伴います。

耳鼻咽喉科の利点として、鼻、のどの状態を視診や検査で見るとができて、副鼻腔炎や中耳炎の診断も可能です。炎症の広がりや程度を確認することができ、適切な治療に結びつけることができます。

鼻やのどの処置を行い、ネブライザー治療(薬を霧状にして吸入)を行います。
消炎剤や解熱剤などの対症療法を併用することもありますが、ウイルス感染の場合は効果のない抗生剤は使いません。
ひどくならないうちに早めに治療をしましょう。

安静、水分や栄養を十分に摂取して、体の免疫力が回復するように努めましょう。
日常生活で、免疫力が低下しないように過労や睡眠不足を避けて、感染予防としてマスク、うがい、手洗いなどを心がけましょう。
お子さんは、鼻腔の構造が狭く、免疫力も発育の途上であり、一旦悪くなってしまうと、回復に時間がかかります。
また、鼻づまりの結果、呼吸が苦しくなり睡眠の質が低下すると、体力を消耗しますので症状が長引く要因の一つになります。

アレルギー性鼻炎(ホコリなど)

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鼻は、侵入してきた特定の物質(抗原、アレルゲン)を自分以外の物質(異物)と判断すると、それを身体の外に出そうとする反応がおこります。
その結果、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状が強く出てしまう状態をアレルギー性鼻炎と言います。
アレルギー性鼻炎は、年間を通して起こる「通年性」と一定の季節に起こる「季節性」の2種類に分けられます。
「通年性」の主な原因はダニやハウスダスト、犬や猫などのペットが知られています。
「季節性」は、「花粉症」と呼ばれ、花粉症もアレルギー性鼻炎のひとつです。

アレルギー性鼻炎の治療には、まず、なにがその原因となっているのかを把握する必要があります。
アレルギーの検査は、採血してアレルギー性鼻炎の原因物質の種類、程度を調べることができます。
原因物質には、「ハウスダスト(ホコリ)」、「ヤケヒョウダニ、コナヒョウダニ」など、「スギ、ヒノキ」などの樹木の花粉、「アスペルギルス、カンジダ」など人につきやすいカビ、その他、犬や猫などの動物があります。

鼻水や鼻づまりを軽減するために鼻の中の粘液を吸引し、薬を噴霧する鼻処置や、ネブライザー治療(薬を霧状にして吸入)を行います。
内服薬としては抗ヒスタミン薬などがあり、外用薬としては点鼻薬が使われます。
またアレルギーを緩和させる目的で、ヒスタグロビン・ノイロトロピンの注射を、花粉が飛び始める前までにおこなう方法もあります。
レーザー治療も有効な方法の一つです。
鼻の中に原因物質が残らないように、ご家庭で、生理食塩水などで洗浄する、鼻洗浄(鼻うがい)も効果的です。

アレルギー反応が強い場合は、お薬が効きにくい場合がありますので、アレルギーの原因物質を少なくする工夫が必要です。
ホコリやダニが原因であれば、居住空間の定期的な掃除と共に、ホコリやダニが残りやすい絨毯や厚地のカーテンはなるべく避け、エアコンのフィルターも定期的に掃除しましょう。空気清浄機を活用するのも一つの方法です。
寝具(お布団、シーツ、枕カバー)は、接している時間帯が長いため、日干しや掃除(あるいは洗濯)もこまめにするようにしましょう。
また、疲れて、身体の免疫機能も落ちていると、症状も出やすくなります。十分な睡眠と栄養を取って、疲れが溜まらないように規則正しい生活を心がけることも大切です。
なお、風邪のひきはじめなどは、元々のアレルギー性鼻炎と重なって、症状が長引くことがありますので、早めに受診をしましょう。

花粉症

花粉症は、花粉によって起こる季節性のアレルギー性鼻炎です。
アレルゲンとしては、春先のスギ花粉(2月から4月頃)をよく耳にしますが、「ヒノキ」樹木(3月中から5月末頃)、「かもがや、おおあわがえり」イネ科の植物(5月から8月末頃)、「ブタクサ」雑草(8月から10月頃)、などもあります。
つくば市周辺及び茨城県内で最も多いのはスギ花粉ですが、イネやブタクサ、ヒノキなども生育していますので症状が出る季節にも注意する必要があります。鼻水、くしゃみ、鼻づまり、目のかゆみなどが主な症状です。
最近は、小児の花粉症の低年齢化が進み、小学生以下で発症する場合もあります。

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花粉が体内に入ると、それを有害な物質と判断して花粉に対する抗体ができます。
花粉が入ってきた時にこの抗体と結合して、ヒスタミンという物質が出ることで、鼻水やくしゃみ、鼻づまり、皮膚や目のかゆみ症状となります。

花粉症を根治することはできませんが、内服薬、点眼薬、点鼻薬などを症状に合わせて使います。アレルギー性鼻炎の内服薬は、ヒスタミンの活動を抑える抗ヒスタミン剤が多く使われます。
また、補助的に内服などの治療と並行して、症状が強い時や症状を一時的に和らげたい時などに使える注射の治療があります。
日帰りで行えるレーザー治療も有効です。詳しくはレーザー治療のページへ
なるべく花粉が鼻や喉(のど)に残らないように、当院では鼻洗浄(鼻うがい)もお勧めしています。
鼻洗浄のページへ

日常生活では、花粉をなるべく身体に取りこまないような工夫が必要です。
晴れた日や風の強い日は花粉が沢山飛散しますので、外出をなるべく控えます。洋服も、外出時は、表面がなるべくツルツルした素材のものをはおったりして、衣服に花粉がつかないようにしましょう。
帰宅時には室外で花粉を払い落とし、うがい・洗顔・洗眼などを行います。
その季節には、窓も閉めて、洗濯物や布団もなるべく外には干さないようにし、布団を外に干した場合は、取りこんだ後に掃除機をかけて花粉を減らします。
どうしても外に干さなければならないときは、花粉の飛散の少ない、朝の早いうちにしましょう。
空気清浄機を利用するのもお勧めです。
床の掃除もこまめにして、必要に応じて室内の加湿もしましょう。
なお、日本気象協会では、つくば市の花粉情報を提供しています。花粉の飛散状況をこまめにチェックして、早めの対策を取りましょう。

慢性副鼻腔炎(蓄膿症)

こちらもご覧下さい
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副鼻腔は、鼻の周りにある4種類の空洞のことです。この副鼻腔と鼻腔を繋ぐ穴は非常に小さいため、粘膜が炎症を起こして腫れるとふさがってしまいます。そのため、副鼻腔の分泌物が排泄されず膿がたまってしまうのが慢性副鼻腔炎です。ウイルス感染や細菌感染、アレルギーによる炎症が原因です。
もともと鼻腔、副鼻腔の構造が狭くなっている方は、炎症が慢性化することがあります。
症状は鼻づまりや、膿性の鼻汁と、その鼻汁がのどに落ちる後鼻漏などです。
それに伴って嗅覚障害、口呼吸の症状も現れます。
また、頭痛や頭重感が強い場合もあります。進行すると粘膜が腫れ、ポリープ(鼻茸)と呼ばれる腫瘤ができます。

内視鏡検査で鼻腔の状態を診ます。レントゲン検査・CT検査(他の施設に依頼)が用いられ、鼻腔の構造や副鼻腔の状態を確認します。
特に内視鏡検査では、粘液の通る道に粘液や膿、ポリープ(鼻茸)の有無を確認することができます。

鼻汁を吸引する処置、ネブライザー治療(薬を霧状にして吸入)が行われます。また、粘膜の炎症を抑える薬、細菌感染の場合には抗生物質、アレルギーの場合は抗アレルギー剤を内服します。
炎症が初期の場合は、通院での処置や内服で治療します。
副鼻腔炎が慢性化している場合で、膿が繰り返したまってしまったり(従来、蓄膿症と呼ばれていました)、ポリープを形成している場合は、入院手術が必要となることがありますので、早い段階での治療が大切です。

鼻中隔彎曲症

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鼻中隔は、左右の鼻腔の真ん中にある骨と軟骨の「仕切り」です。
顔面の骨の発育の途中で、鼻中隔の変形(彎曲)が生じます。 また、強い力が加わって(交通事故、転落、スポーツ外傷)、彎曲が起こることもあります。
鼻中隔の変形が大きいと、鼻づまり(鼻閉)、出血しやすい、かさぶたができやすいなどが起こります。
また、鼻中隔彎曲は、粘液の通り道が狭いので、副鼻腔炎が治りにくくなります。

視診、内視鏡検査、CT検査(他の施設に依頼)などで、慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎などの合併症の有無も調べていきます。

鼻閉により日常生活上に支障が出てきたり、副鼻腔炎の治療に影響する場合には、入院手術を検討します。

鼻出血

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出血しやすい場所は、左右の鼻をわけている鼻中隔の粘膜です。鼻の入り口すぐの血管が網目状になって表面に浮き出ているためです。鼻をかんだ時におきやすく、特別なきっかけがなくても突然出ることもあります。
アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎なども鼻出血の原因になります。
高血圧があったり、脳や心臓疾患で血液の抗凝固剤(血液のかたまりを具合を和らげる薬)を内服中の場合には、出血した時に止血に時間がかかります。
鼻出血以外にも、歯からの出血や、皮膚に青あざができやすい場合は、血液の病気も疑われます。

原因となりうるアレルギー性鼻炎や副鼻腔炎の治療を行い、鼻粘膜の毛細血管の壁を丈夫にして出血を軽減させる内服を併用します。
出血が止まりにくい場合は、ガーゼを入れる止血処置をします。

ご家庭でも軽度であれば、出血している場所をおさえて止める圧迫止血ができます。入口手前の出血の場合は、脱脂綿やティッシュをゆっくりいれて、その後、鼻の外側から指で少し強めにおさえてください。のどにまわった血液は、飲み込まずに口からそっと出しましょう。