鼻の診療について

鼻血がでる

鼻の構造と動き

構造

外から見える外鼻と、その内部に顔面の骨の中に形成された空洞があり、鼻腔、副鼻腔を形成しています。

  • ■鼻腔は、粘膜の膨らみ(上鼻甲介、中鼻甲介、下鼻甲介)とその間にくぼみ(上鼻道、中鼻道、下鼻道)があり、鼻腔は左右に鼻中隔という軟骨と骨で出来ているしきりで、左右が分かれています。
  • ■副鼻腔は顔面の骨の中にある空洞で、おでこの前頭洞、目の内側の篩骨洞(しこつどう)、頬の上顎洞、さらに奥で脳に近い部分に蝶形骨洞があります。
  • ■各副鼻腔は、上鼻道、中鼻道と細い道筋で繋がっています。

働き

鼻腔は、内側を粘膜で覆われており、空気が出入りするところで、粘膜は外から入ってくる空気を暖め湿度を与え、異物(ホコリや細菌・ウイルス)を吸着させて、気管支や肺を守る働きをしています。粘膜表面は、粘液で覆われていて、粘膜細胞の持つ線毛運動によって、吸着された異物を移動させています。

鼻腔粘膜の膨らみで、特に一番大きな下鼻甲介は、外からの温度刺激、自律神経の働きに伴い内部の血管が収縮や肥大を起こします。
粘膜が肥大すると空気の通る道が狭くなり、収縮すると空気の通る道が広くなります。
冷たい空気が入ると粘膜は肥大し、夜寝る時には自律神経の働きでもふくらみます。
正常な鼻腔であれば、こういった粘膜の肥大・収縮を自覚することはありませんが、粘膜の炎症が重なると肥大が強くなり鼻閉が強くなります。

鼻腔の周囲に広がっている副鼻腔は、正常な状態では、鼻腔とつながった中鼻道経由で、十分な空気が入っており、顔の骨を軽くする働き、声の共鳴などに関係しています。内側は粘膜でカバーされており、鼻腔の粘膜と同様に細胞の線毛運動により、異物を外へ排除する働きがあります。